HOME留学体験記ハンブルグ大学 2010年~2011年

ハンブルグ大学 2010年~2011年

留学準備

国際仏教学大学院大学は学生の半数ほどが留学生。海外からの著名な先生による短期集中講座や、外国語文献を読んでディスカッションをする授業などもあり、自然に留学の心構えができたので、不安なく留学に臨むことができました。
私が留学先に選んだのは、ドイツ、ハンブルグ大学。昔から仏教学が盛んで、日本からも多くの留学生が仏教学を学んできた所です。国際仏教学大学院大学はハンブルグ大学アジア・アフリカ研究所と交換留学制度を結んでおり、留学手続きはとてもスムースでした。留学を決めてからは、とんとん拍子で事が進み、約五ヶ月後には、ドイツでの授業に参加していました。

ドイツでの住まい

ハンブルグ大学

ハンブルグでは大学のゲスト・ハウスに滞在しました。ここは、内外からの研究者が、短期から長期まで滞在できる施設で、大学からほど近い住宅街にあります。ハンブルグは緑が多く、朝は鳥の声で目が覚め、また、窓の外の木の枝で遊ぶリスを見かけることもありました。
ゲスト・ハウスでは、月に一回、懇親会が開催され、色々な国の色々な分野の研究者の方たちと知り合う機会に恵まれました。私の部屋の隣に住んでいたのは、インド、デリー大学の法学部から来ていたウシャ先生。私がサンスクリット語を学んでいることもあって、仲良くなり、お部屋でインドのチャイをよ くごちそうしてくれました。

ドイツでの生活

ゲストハウス前の通り

日本とヨーロッパではやはり文化間の相違があります。例えば、お店に行けば、日本のようなサービスは期待できません。顧客と店員の関係性は、店員の方が上。お店に入るときは顧客が挨拶をします。こう した文化間の相違は色々とあるものの、ドイツは全般的に生活がしやすく、また親日的な印象を受けまし た。日本文化、特にアニメなどのサブカルチャーや、日本料理に興味を持っている人は多く、日本の食材なども大抵のものは手に入ります。

ハンブルグの市庁舎

大学では、日本に留学経験があるという他学部の先生と知り合いになる機会に恵まれました。週に一 度、お互いに日本語、ドイツ語を教え合うタンデム(語学交換)パートナーとなり、先生のおかげで、ドイツに関する知識がぐんと広がり、楽しくドイツ語を学ぶことができました。

ハンブルグ大学の授業

写本学の授業

私のドイツ語能力は大学の授業についていけるレベルではないのですが、ハンブルグ大学のインド学・ 仏教学の部門では、英語で受けられる大学院の授業も多くあり、担当教授からも英語で指導していただいたので、学業の上で困ることは特にありませんでした。大学院の授業には、日本ではあまり開講されていないようなものがあり、例えば「サンスクリット写本学」の授業では、異なる時代の写本を扱いながら、 様々な字体に接し、また奧書(写本の巻末に、筆写者がその本の来歴などを記録したもの)を読む練習をしたりと、大変勉強になりました。

留学生の皆さんと

私の指導を担当してくださったアイザクソン教授のもとには、アメリカ、イタリア、カナダ、韓国、中国、ロシアと、世界中から留学生が集まってきており、とても刺激的な環境でした。大学院の学生のそれぞれは、アイザクソン教授の指導の元に、自分の研究しているテキストを読む研究会を開催しており、私もそれにならって、週に一回、研究会を開催しました。毎週、徹夜で研究会の準備をし、ふらふらになって研究会に臨みましたが、大きな成果となりました。

山野千恵子 2012年4月 記