国際仏教学大学院大学
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  発表要旨   
 

上杉智英(国際仏教学大学院大学 学術フロンティア研究補助員)


日本古写経中の『往生礼讃』

 善導は中国における浄土教の大成者であり、日本においても所謂浄土五祖や七高僧の一人として敬礼されてきた背景から盛んに研究され、多くの先学によってその教義・思想が明らかにされてきた。それらが枚挙に遑ないのに比し、基盤となるべき書誌学・文献学からのアプローチは乏しく、『往生礼讃』の現存古写本に関しても敦煌写本断簡が数点紹介されている他、日本にみられる遺例は僅かである。ただし一切経書写の指針となる『開元録』を編じた智昇は諸経典にみられる礼懺儀を集録し『集諸経礼懺儀』として一切経に入蔵させており、その巻下には善導の『往生礼讃』が輯録されている。
 そこで本発表では『往生礼讃』研究の新たな視座として、平安・鎌倉時代書写の一切経における『集諸経礼懺儀』巻下に着目し、その系統・資料価値等を紹介したい。


  
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