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日本古写経善本叢刊 第四輯
『集諸経礼懺儀 巻下』

 『集諸経礼懺儀』は、『開元釈教録』の編者である唐、智昇(−730−)が、長安で流行していた礼懺儀を上下二巻に集録したものです。その巻下には、鎌倉浄土教に多大な影響を及ぼした善導(613−681)の『往生礼讃偈』(往生礼讃、六時礼讃)が全文収録されています。『往生礼讃偈』は敦煌写本中にも散見しますが、それらは何れも断簡、抄出本であり、その古態の全貌を伺うことは叶いません。本書では日本に伝存する『集諸経礼懺儀』巻下の古写経本に着目することで、『往生礼讃偈』の古態とその変遷を辿ります。檀王法林寺蔵本、金剛寺蔵本は、流布本に見られない細字双行表記が多用されており、版本大蔵経本に比し、より古態を留めていると考えられること、七寺蔵本は散逸した北宋勅版(開宝蔵)本の転写本であること等、日本に伝存する古写経本を検討することで、様々な新知見が得られました。『往生礼讃偈』古態の復元と、その変遷の検討を可能にする古写経本の文献学的価値は極めて高く、思想研究、仏教儀礼研究の更なる発展への貢献が期待されます。

【内容】

緒言(今西順吉)

資料篇
・檀王法林寺蔵 中尊寺一切経本『集諸経礼懺儀』巻下 解題・影印・翻刻(上杉智英)
・金剛寺蔵 一切経本『集諸経礼懺儀』巻下 解題・影印(上杉智英)
・七寺蔵 一切経本『集諸経礼懺儀』巻下 解題・影印・翻刻(上杉智英)
・増上寺蔵 思渓版『集諸経礼懺儀』巻下 解題・影印(能島覚)
・七寺蔵 『阿弥陀往生礼仏文』解題・影印・翻刻(上杉智英)
・京都大学附属図書館蔵 建長三年刊『往生礼讃偈』 解題・影印・訓読(解題:梶浦晋、訓読:能島覚)
・諸本校異一覧(上杉智英)

論攷篇
・智昇の『開元録』編纂と『集諸経礼懺儀』の入蔵(落合俊典)
・親鸞の用いた『往生礼讃』をめぐって(能島覚)
 『集諸経礼懺儀』と『往生礼讃偈』(上杉智英)

あとがき(落合俊典)

                     
   
     
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