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本学は平成8(1996)年に初代理事長平川彰博士のもとに開学しました。その母胎は、昭和51(1976)年以来蒐集した仏教関係図書を収蔵する世界的に知られた図書館と、多彩な研究者の国際交流を推進してきた国際仏教学研究所とであります。これらの事業を継承するとともに、仏教研究の一層の発展と研究者の育成を目的として大学院大学が開設されました。
仏教学研究科のみで、しかも学部をもたない独立大学院大学ですから、世界でも例を見ないほど規模は小さいですが、大きな目標に向かって邁進してきました。
仏教は紀元前のインドに興り、広くアジアに普及して、今日に至るまで深い影響を及ぼしてきました。仏教は深遠で透徹した人間観・世界観を根底に多様な経典・論書を生み出し、精緻な教義体系を構築し続けましたが、インドにおいてはもとより、仏教が伝播した諸地域においても、それぞれの社会と文化を否定することなく、むしろ内面から深く支える働きをしてきました。
インド、スリランカ、中央アジア、東アジア等の諸地域における仏教の全貌を研究し明らかにすることは、人類の歴史の一つの大きな領域を解明することでもあります。すでにこれまでにも多くの研究成果が蓄積されておりますが、それぞれの地域には今なお膨大な仏教文献と仏教文化が未解明のまま残されております。これを厳密な文献学的方法によって解明し、仏教の歴史的展開の脈々たる流れを根底から究明することには多大な意義を認めることができます。
今日、地球規模における人類の交流は日常化しており、その結果として諸宗教・諸文明の接触が盛んになるとともに、不幸な衝突もまた頻発しております。また、物資や金融の市場も全地球的に拡大し、世界全体を大混乱に巻き込む事態を引き起こすに至っております。さらにより根本的には、素粒子やDNA、万能細胞の研究に象徴されるように、科学の発達は人間と宇宙の構造と成立に関する認識を極限にまで深め、その知が科学技術と結びつくことによって、人間と宇宙に対して想像を超えた深刻な影響を及ぼす可能性が生まれつつあります。人間の手による人為的操作が、あたかも神の手によるがごとくに、人類・万物を支配するという事態が目前に迫っているのです。
現に直面しているこれらの諸問題に人類がどのように対処することが出来るかは、人類がこれまでに獲得した「知」をどのように活用するかにかかっております。しかしこれら諸問題のそもそもの来歴を顧みるならば、仏教の果たすべき役割が決して小さくないことは明らかであると言わなければなりません。仏教の研究が今日ほど急務である時代はかつてなかったと言っても過言ではありません。
本学においては少人数教育の利点を最大限に活かして学生の個別指導に当たっております。特に指導教員は学生の論文指導を担当し、学位論文の完成に向けて指導・助言します。また全教員・全学生の参加する研究会を毎週開催して研究意欲を高めるとともに、学外の専門家の参加をも仰いで、広く深い学問的素養の涵養に努めております。毎年外国から招聘される客員教授および客員研究員に学生は新鮮な学問的刺激を受けております。外国からの来訪者による公開講演会も随時開催しております。このように様々な人的交流の中で学問研究を意欲的に推進することができます。
本学の特筆すべきプロジェクトとして奈良平安古写経の研究があります。文部科学省の助成金を得て古写経の大規模な収集と研究を進めております。貴重な資料が山積しておりますので、これを利用して学位論文を作成する学生も輩出しております。
なお、平成22(2010)年度からは新しい校地・校舎に移転する予定です。現在よりもさらに充実した施設となりますので、教育・研究においても一層の発展を遂げるべく期しております。
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