国際仏教学大学院大学
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    平成20年度第2回公開研究会 発表要旨



吉川 也志保(東京文化財研究所保存修復科学センター研究補佐員)


           古写経の予防的保存に関する考察

 今日まで伝世してきた古写経を未来に残していくためには、様々な要因から引き起こされる劣化を、如何に抑制していくかが重要な課題である。
 自然科学的な観点からみると、劣化には、物理的要因、化学的要因、生物学的要因あるいはそれらの複合的な要因等が考えられる。本発表では、これらの劣化要因の概略を紹介し、古写経の材質に触れながら、特に、近年日本における気象の変化に伴い、多くの被害報告が寄せられている、虫・カビなどの有害生物による劣化に着目する。生物に起因する劣化を未然に防ぐには、適切に保存環境を整備する必要があり、そのような試みは、古くは曝涼という習慣、現在では、IPM(Integral Pest Management)という方針として普及しつつある。このような背景をふまえて、古写経の予防的保存に関して考察する。



 
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