『日本現存八種一切経対照目録』(非売品)

本学学術フロンティア・プロジェクト「奈良平安古写経研究拠点の形成」では本年3月に『日本現存八種一切経対照目録』を刊行した。これは、関係各機関による既存の一切経調査報告書をもとにしながら、わが国に現存する奈良・平安・鎌倉時代の古写経本の存欠状況を一覧化したものである。
ここに採録されている八種の一切経とは、①正倉院の聖語蔵、②金剛寺(大阪府河内長野市)、③七寺(愛知県名古屋市)、④石山寺(滋賀県大津市)、⑤興聖寺(京都市)、⑥西方寺(奈良県大和郡山市)、⑦新宮寺(宮城県名取市)、⑧妙蓮寺(京都市)の、各々が所蔵するものである。
当プロジェクトでは9世紀初頭に弘法大師空海によって将来された『貞元録』に描かれている中国唐の仏教と日本の平安仏教の基本典籍を一部一巻の遺漏もなく復元することを目指している。そのため本目録でも前掲の一切経写本のデータを、大正蔵の順ではなく、『貞元録』に記載される典籍の配列順に従って一覧化している。ただし、大正蔵の番号をもとに目的の典籍を容易に検索することのできる対照表は末尾に付してある。
写本の存欠状況を鳥瞰的に一望することができる本目録は、古写経の調査と研究に不可欠な座右のツールである。