HOMEお知らせ日本古写経研究所七寺一切経中の『続高僧伝』巻一の二本について

七寺一切経中の『続高僧伝』巻一の二本について

平成26年度国際シンポジウム発表要旨
斉藤 達也(国際仏教学大学院大学附属図書館職員)

七寺一切経中に『続高僧伝』が含まれていることは『尾張史料 七寺一切経目録』 (一九六八年刊)などによって以前から知られていた。しかしそのテキストの内容・特徴などの研究は、その後長らく進展しなかった。近年、国際仏教学大学院大学を中心とする調査とそれにも基づく研究により、本一切経所収の『続高僧伝』の内容・特徴が明らかになりつつある。その過程で『続高僧伝』巻一は完本の一本の他に、上記目録に載録されていない尾欠の一本も本一切経に含まれていることが新たに判明した。
この巻一の尾欠本は、検討の結果、完本と同じく平安時代末期の七寺一切経書写時よりのものであると推測される。本発表ではこの二本の概要と互いのテキストの特徴・異同を報告し、あわせて関連する問題を、他の一切経中の『続高僧伝』と比較・対照しながら論ずることにする。

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